デベロッパーズバックヤード第19回(2025/12/26公開)

  • コラム

Developer's Backyard

こんにちは、プロデューサーの宮内です。

2025年もいよいよ終わりが見えてきました。
今年も『GUILTY GEAR -STRIVE-』を遊び、さまざまなご意見を届けてくださった皆さんに、心より感謝いたします。

12月18日には『GUILTY GEAR -STRIVE- Nintendo Switch Edition』にもルーシーが参戦し、今年予定していたコンテンツアップデートのリリースがすべて完了しました。
現在、開発チームはすでに来年に控えているバージョン2.0の大型アップデートに向けて、地道な開発を進めています。

バージョン2.0に関する具体的な内容についてはこの場でお伝えすることはできないのですが、情報がまったくないまま年末を迎えるのも、少し寂しい気がしています。

そこで今回は、年末のご挨拶も兼ねて、シーズン4最後の追加キャラクターであるルーシーの振り返りと、バージョン2.0に込めている意図や開発としての方針について、ほんの少しだけお話しできればと思います。

ハッキングスキルで敵を排除する
謎めいたネットランナー

使いやすさ:★★★★☆
バトルタイプ:Balance

■氏名:ルーシー (CV: 悠木 碧)
■出身地:ポーランド

■特徴
クールでミステリアスな雰囲気と、パステルカラーのグラデーションがかった髪色が目を引く女性。
冷ややかなふるまいで他人を寄せ付けず、過去についてもほとんど資料が存在しないため、その正体は謎に包まれている。
捕縛から切断までを自在にこなすモノワイヤーと、しなやかな身のこなし、そして卓越したハッキング技術を武器とする。
こちらの世界に来た際の影響か、一部記憶が欠けている。

■バックボーン
彼女は「ナイトシティ」という人体改造が一般化した巨大都市において、いわゆるアウトローの傭兵「サイバーパンク」のネットランナーとして生計を立てていた。
ネットランナーはコンピューターシステムやプログラムに精通した存在で、ネットワーク空間における様々な情報へ(ときには違法な手段で)アクセスすることができる。
ある日、ルーシーが「ディープダイブ」と呼ばれる特殊なアクセス方法を用いてネットランニングを行なっていた最中、何らかのアクシデントによりルーシーの精神体はバックヤードへと迷い込むことになる。
バックヤードに漂うルーシーの精神体は飛鳥=R=クロイツによって発見、救出される。
さらに飛鳥は、ルーシーがこの世界で活動ができるよう、精神体とこの世界とをつなぎとめる一時的な器を用意した。

ルーシーはご存知の通り、『サイバーパンク エッジランナーズ』に登場するキャラクターです。
今回のゲスト参戦をきっかけに、原作アニメをご覧になった方も多いのではないでしょうか。

ルーシーは『GUILTY GEAR -STRIVE-』を初めて遊ぶ方にも触ってもらいやすいよう、飛び道具、突進技、無敵技といった基本的な要素を揃えつつ、中距離戦を得意とする、いわゆるハイスタンダードなバトルスタイルのキャラとして設計しています。

バトルデザインに入る前の段階から、CD PROJEKT RED ジャパン・カントリーマネージャー/『サイバーパンク エッジランナーズ』プロデューサーの本間 覚さんと、「ルーシーは格闘ゲームのキャラクターとして、どうあるべきか」という点について、綿密に意見交換を行ってきました。

作中の描写だけを見ると、格闘ゲームとして成立するアクションの幅は決して多くありません。
そのため、こちらで想像を膨らませながら独自の解釈を加える必要があり、「蹴り技はあっても良いが、素手での殴り合いは避けたい」といったように、オリジナルアクションの線引きを一つひとつ確認していきました。

「モノワイヤー」や「クイックハック」については、細かなバトルデザインを詰める前の段階から、ルーシーに必ず使わせたい要素として想定していました。
特に「モノワイヤー」については、「本来の表現をどこまで落とし込むか」といった点まで含めて、許容範囲を慎重に相談しています。

検討段階では、「ドローンや機械を呼び出してハッキングし、爆発させる」といった案や、「ハッキングはキャラクターだけでなく、飛び道具に対しても行える」というような案もありました。
本間さんからは「レベッカのショットガンを借りて攻撃する」といったアイデアも挙がっていました。

クイックハックの再現には、特に強いこだわりを持って取り組みました。HUDデザインはすべて『Cyberpunk 2077』のゲーム画面を参考に、ギルティギアチーム側で再構築しています。
HUD内のテキストフォントも言語ごとに切り替わる仕様となっており、原作に準拠したものを採用しました。
ハッキングアイコンについても、「クイックハック」6種と「ナーヴ感電」それぞれ、原作にあるアイコンをオマージュしつつ、ギルティギアチームで新規に制作しています。

最終的には『Cyberpunk 2077』開発チームの皆さまにも監修にご協力いただき、効果音についても公式に音源をご提供いただいたことで、細部まで原作の「クイックハック」を表現することができました。
改めて、CD PROJEKT REDのチームの皆さまには、この場を借りて御礼申し上げます。

ルーシーの開発を通して、
「どうすれば初めて触る人にも楽しんでもらえるか」
「作品らしさを守りながら、どう新しい体験を作るか」
といった点を開発チーム内でも改めて見つめ直すことになりました。
こうした視点は、バージョン2.0の開発においても、大切な軸のひとつになっています。

これからのアップデートについて

バージョン2.0以降のアップデートでは、単なるキャラクターの調整や新しいコンテンツの追加にとどまらず、「まるで新作を触っているような感覚で遊んでもらえる状態」を目指して準備を進めています。

もちろん、すべてを一度に大きく変えるという意味ではありませんが、これまで積み重ねてきた要素を整理し、GGSTが次のステップへ進むための節目となるアップデートにしたいと考えています。

プレイアブルキャラクターについて

キャラクター開発については、バージョン2.0の大型アップデートのタイミングで、新たなプレイアブルキャラクターを1人追加する予定です。

EVO 2025で公開したトレーラーでは、今後の参戦キャラクターについて一部触れましたが、それらを含め、プレイアブルキャラクターの追加については、段階的にお届けしていく想定です。

また、その先のアップデートでも、継続的なキャラクター追加を行っていく計画があります。

具体的な時期や内容については、改めてお知らせできればと思います。

バトルバランス調整の考え方

これまでのアップデートを重ねる中で、バトルバランスについては共通システムを中心に、全体的にキャラクター性能の水準が上昇してきた部分があると認識しています。

バージョン2.0では、まずこうしたキャラクター性能の水準を適正な位置へと戻すことを重視し、ゲーム全体がより健全に成立するバトル環境を整えることを第一の目的としています。

そのうえで、リスクとリターンのバランスが崩れつつある要素や、特定の行動や選択に偏りやすくなり判断の幅が狭まっている部分について、改めて見直しを行う方針です。

特にワイルドアサルトについては、導入以降の環境変化も踏まえつつ、共通システムとしての役割や立ち位置を改めて整理しています。
初心者や新しく始めた方にも、より分かりやすく、気持ちよく体験できる形とは何か、という視点で見直しを行っています。

また、ごく一部のキャラクターについては、調整という枠を超えたリワークも視野に入れて検討しています。

既存キャラクターへの新技追加

既存キャラクターについても、ソル、カイ、名残雪、レオを対象に、新技の追加を予定しています。

これらの新技はすでに実装段階に入っており、現在はバージョン2.0のバトルバランスの中で入念なテストと最終調整を行っている段階です。

プレイリワードの拡充

プレイのモチベーションを高める要素として、リワード面の拡充にも取り組んでいます。

これまでのFISHINGに加えて、プレイ内容に応じて獲得できる新たな報酬の仕組みを開発中です。

遊びやすさの改善

細かな遊びやすさの改善についても、引き続き対応を進めています。

例えば、『FISHINGで一度に獲得できるアイテム数の増加』や、『初期バトルステージの軽量化対応』など、日常的にプレイしていて感じやすい部分を中心に見直しを行っています。

バッドマナーに対する対応

他プレイヤーに対する迷惑行為や回線切断といったバッドマナーへの対策についても、引き続き対応を検討しています。

運営チームにて、こうした行為が確認されたプレイヤーについては、ネットワーク制限やランキング除外などの対応を行っていますが、より早期に検知し、適切な対応を行える仕組みも開発中です。

ここまでお話しした内容の中には、バージョン2.0の開始タイミングには間に合わないものも含まれています。

そうした要素については、その先のアップデートでの実装も視野に入れながら、優先度を整理して進めていく予定です。

今回ご紹介した内容は、バージョン2.0に向けた取り組みの一部になります。
まだお話しできていないこともありますが、開発の進捗にあわせて、改めてお伝えできればと考えています。

GUILTY GEAR -STRIVE- Nintendo Switch Editionの今後の展開について

最後に、Nintendo Switch Editionの今後についてです。

Nintendo Switch向けの開発・運用には、ハードウェアの制約にあわせた多くの工夫とコストが必要でした。

その経験を踏まえ、バージョン2.0以降のアップデートについても、どのような形で展開していくことができるか検討しています。
ただし実現性については技術的な課題だけでなく、私たち自身がどこまで挑戦できるか、そしてユーザーの皆様からの声も含めて、総合的に判断していくことになると考えています。


今回は、年末のご挨拶も兼ねて、現在お話しできる範囲でバージョン2.0に向けた考えを共有させていただきました。

すでに遊んでくださっている方はもちろん、しばらく離れていた方にも、「また触ってみようかな」と思ってもらえるようなアップデートを目指して開発を続けています。
今後の続報については改めてお知らせしますので、引き続き『GUILTY GEAR -STRIVE-』をよろしくお願いいたします。

また、今回お伝えした内容について、「こう感じた」「ここが楽しみになった」といった率直な感想があれば、ぜひ皆さんの言葉で共有していただけると嬉しいです。
皆さんからの反応は、私たち開発チームにとって大きな励みになっています。

今年も『GUILTY GEAR -STRIVE-』を遊んでいただき、本当にありがとうございました。
どうぞ良いお年をお過ごしください。


ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
デベロッパーズバックヤード第19回は以上となります。

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