デベロッパーズバックヤード第17回(6/28公開)

  • コラム

こんにちは、プロデューサー宮内&ディレクター片野です。

さっそくですが、GUILTY GEAR -STRIVE-は6月11日に3周年を迎え、先日はシリーズ初となるTVアニメ化を発表し、ティザービジュアルを解禁いたしました。

アニメのタイトルは『GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS』(ギルティギア ストライヴ:デュアルルーラーズ!!



アニメーションの制作には、これまで数多くのCGアニメを手がけ、「GUILTY GEAR -STRIVE-」の主人公、 ソル=バッドガイのテーマ曲「Find Your One Way」のオリジナルMVも制作した株式会社サンジゲンさんが担当。監督には「劇場版アルゴナビス AXIA」シリーズを手がけた森川滋さん。さらに脚本・シリーズ構成は漫画、ノベル、ドラマCD、ゲームなど多くの「ギルティギア」シリーズのシナリオ制作に携わってきた海法紀光さんが担当し、「機動戦士ガンダム00」シリーズや「鋼の錬金術師」シリーズを手がけた水島精二さんがアソシエイトプロデューサーを務めます。

公式サイト  公式X





アニメの続報やティザー映像は7月4日にロサンゼルスで開催されるアニメイベント「Anime Expo 2024」でのパネルイベントで配信予定となります。
配信では宮内に加えて海法さん、水島さんと一緒にアニメ関連のいろんなお話しをしますので、ぜひこちらもお楽しみに!

◆配信予定時間
日本時間(JST):7/5(金) 3:30(AM)~4:20(AM)
北米時間(PDT):7/4(木) 11:30(AM)~0:20(PM)

◆配信チャンネル:
「Arc System Works America」公式Twitchチャンネル
https://www.twitch.tv/arcsystemworksu


こうしたギルティギアの新たな展開をお届けできるのは、月並みですがユーザーの皆さんに支えて頂いているおかげです。いつも応援いただき本当にありがとうございます。
今後も「ギルティギア」のアップデートを継続して皆さんのご声援にお返しできればと思っています。

さて、以降はゲーム側のお話しをさせていただきます。今回のデベロッパーズバックヤードでは「A.B.A」と「スレイヤー」の開発裏話や、長らく皆さんをお待たせしてしまっている、これからのGGSTのアップデートについて触れていきます。どうか最後までお付き合いください。

  ● 『A.B.A』について
  ● 『スレイヤー』について
  ● これからのアップデートについて
  ● 大会&イベント情報

『A.B.A』参戦!

■氏名:A.B.A (CV:杉山 里穂)
■身長:174cm
■体重:34kg
■血液型:水銀の混じった得体の知れない液体(輸血時は普通の血液が必要)
■生年月日:不明
■出身地:フラスコ
■趣味:世界観察、怨み手帳をつける、余生の計画を練る(何事も皮算用)
■大切なもの:パラケルス、自分、鍵の形状のモノ全般、「もったいない」と思ったモノ
■嫌いなもの:「もったいない」ことをする人間、恋敵と思しき人間、友達思いではない人間
■所属:なし
■武器:パラケルス

フラスコと呼ばれる研究所で生まれたホムンクルス。
形状が鍵に酷似した斧をパラケルスと名づけ、夫として扱っている。

研究所で孤独に過ごしてきたため、非常に人見知りの激しい性格。
まだまだ情緒は未成熟であり、ことパラケルスのこととなると嫉妬深く独占欲が強い。
攻撃的な面が目立つが、それは臆病さの裏返しであり、最低限の思いやりや情は持ち合わせている。

伴侶であるパラケルスに人間の体を与えることを目的として旅していたが、最近のパラケルスの見た目の変化に戸惑い、その原因を調べている最中である。

【Ver.1.37アップデートの「GG WORLD」
※以下アーケードモードのネタバレを含みます

  • 最近のパラケルスの変化に戸惑うが、それは彼女の強い思念がパラケルスに影響を及ぼしていたためであった。
    パラケルスが去ること、それを危惧するが故の強い思念はパラケルスの在り方すら変えてしまう。
    自らが持つ影響を客観的に受け止めた彼女は、伴侶との向き合い方を考え直すのだった。

    最近のマイブームは「ターコイズブルー」。
    本来の髪色は赤だが、マイブームの到来により青く染めた。

    パラケルス(CV:神谷 明)

    アバの武器にしてアバの夫。

    本名はフラメントナーゲルと呼ばれる魔性の斧で、聖戦時代には幾多の戦士を洗脳し戦場を血で染めていた。 敵味方の区別が無く、持ち主が果てるまでその力を振るう文字通りの戦闘狂であった。別名「葡萄酒の太刀風」。

    【バックボーン】
    「魔器」に類する半生命体。
    魔器とは、バックヤード上に存在する個人の記憶情報が、器に足るものに憑依し安定した物体である。日本において八百万の神や妖怪と称される存在は、この現象を起源としている。鍵の形をしていることから鍵が大好きなアバに気に入られてしまい「パラケルス」と名付けられ強引に夫にされてしまった。 しかし、パラケルス本人は認めておらず隙あらばアバから逃げようとしている。
    パラケルスは聖戦が終結しても尚、戦場を求めており、 旅先で出会う強者に「持ち主にならないか?」と誘いをかけているが、今のところ成功した試しはない。 誘いをかけられた相手は大概アバの凄まじい嫉妬を買う事になる。ちなみに「パラケルス」はアバの生みの親の名前である。

    持ち主の精神に干渉し、その思想・思考を乗っ取る性質であったが、アバの強靭な精神力に負けて逆に干渉を受けるようになる。
    その思念の強さはパラケルスの姿形を変貌させるほどであり、日に日に本来の斧の姿から遠ざかっていった。
    なお人間の姿にならなかったのは「人の体を持った場合、パラケルスが自分のもとを去るのではないか」というアバの無意識的な恐怖からであり、パラケルス本人はそのことに気が付いていた。

    長く共にいる中で彼女との旅路も悪くない、と思い始めていたが、それをどう伝えるか悩んでいた。

A.B.AはGUILTY GEAR ISUKAが初出のキャラクターで、GUILTY GEAR XX ACCENT CORE PLUS R以来の参戦となりました。
前作のXrdでは参戦できなかったこともあり、GUILTY GEAR -STRIVE-では開発初期から何度もプレイアブルキャラクター開発候補に上がってくるキャラクターでした。



●キャラクターデザインについて
シリーズを追っている方は、まずは髪色が青緑色になっている変化に気がつくと思います。彼女は外の世界を旅する内に、自分を好きなもので着飾るということに興味を持った結果、髪を染めました。



またパラケルスですが、A.B.Aが通常時ですと過去シリーズと相違ないビジュアルのままです。しかしA.B.Aが「憤嫉モード」になると、過去シリーズとは異なる形状(ドロドロとした容貌)に変化します。
これはA.B.Aのアーケードモードストーリーでも触れていますが、フラメントナーゲルがA.B.Aの持つ強い思念を受けて起きた変化であり、A.B.Aの感情を映し出しているともいえます。

●バトルデザインについて
まず、過去作からの特徴でもあった「貧弱な通常モードと強力なモードを切り替えて戦うキャラクター」を大枠としてのA.B.Aらしさと再定義しました。
そこに彼女の持つ性格や本作のストーリーを反映させ、嫉妬ゲージと憤嫉モードという仕様に決定しました。
また、バトル仕様を決定する上で重要視したのは「ダッシュしてくるだけで怖い」という印象です。
大きな武器を用いつつ素早いダッシュができるキャラ、というのは本シリーズでもあまり多くない特徴ですが、プレッシャーを強く押し出すようなモーションや性能になっています。

また、本作で大きな変更を加えた要素としては技名も挙げられます。
過去作のA.B.Aの技名は「牽引」や「結合」という名前でしたが、今作はそれぞれ「牽引と随順」や「結合と変性」といったものになっています。
公開時点で気づかれた方も多かったですが、これはA.B.Aとパラケルスの動きや心象を表しています。
技名を意識しつつ必殺技中の表情を見てみると違った発見があるかもしれません。

●日本語ボイスについて
A.B.Aは杉山里穂さん、パラケルスは神谷明さんと今回新たにキャスティングいたしました。
パラケルスは過去作のバトル部分はブレイブルーシリーズの開発でおなじみの森利道さんが担当しており、今作でも当初はそのまま森さんに依頼する方向でご本人にも打診をしていました。
しかし、開発が進むにつれてストーリー上パラケルスにもしっかりと演技させる必要が出てきまして、森さんご本人も含めた協議の結果本職の声優様に依頼する運びとなりました。
別案としてどの国の言葉でもない謎言語を喋らせよう、なども出ましたが、それでは声に併せた良質な演技がどうしても難しいという理由で見送りになったりもしましたね。

とはいえパラケルス=森さんというイメージはファンの方にも強く印象に残っていますので、変更するにしても相当のインパクトと説得力を持った方に依頼したい…という思いから、声優界のレジェンドである神谷明さんにオファーしたところご快諾いただきました。

A.B.Aの複雑な内面を的確に表現してくださった杉山里穂さんと、神谷明さんによるA.B.Aに寄り添ったパラケルスで、新しい化学反応が起きたのではないかと思います。A.B.Aのアーケードモードを未プレイの方はぜひこの機会にプレイしてみてください!

『スレイヤー』参戦!

■氏名:スレイヤー(CV:土師 孝也)
■身長:185cm
■体重:70kg
■血液型:分類不能
■生年月日:10月31日
■出身地:トランシルヴァニア
■趣味:HAIKU、勝負事、人間観察
■大切なもの:シャロン
■嫌いなもの:ロマンを持たない者
■所属:なし(元アサシン組織)
■武器:己の肉体

純粋な闘いとHAIKU(俳句)を趣味とし、紳士的に振舞う吸血鬼の末裔。
「ダンディズム」という独自の心得と、何事にも動じない大きな器量を持つが、闘いとなると穏やかな物腰からは想像もつかない力で相手を圧倒する。
吸血鬼として千載の時を過ごしてきたため、人間界で起こるあらゆることを些事としてとらえている。
しかしそれは彼の一感想であって、その些事に一喜一憂する人間模様を羨ましくも愛おしくも感じている。

アサシン組織の創設者だが、不老不死の存在である妻のシャロンと出会い、それを機に引退した。
現在はシャロンと悠々自適な隠居生活を送りつつ、度々外へ赴いては人間観察を楽しんでいる。


シャロン(CV:潘 めぐみ)

スレイヤーの妻。
不老不死の体を持ち、スレイヤーに吸血されても従者化、あるいは死に至らない特殊な体質の持ち主である。
彼女のそういった特殊体質がスレイヤーとの運命のロマンスを呼んだのであろうことは想像に難くない。
スレイヤーが唯一頭の上がらない人物。

娯楽の一環として、夫と共にHAIKUを嗜み始めた。

●キャラクターデザインについて
前作から大きくデザインは変わっていませんが、今回はマントをなびかせ、圧倒的な強者であることをモーションやポーズから表現することにこだわりました。
「マッパハンチ」の服を置き去りにするネタや、スレイヤーの若返りネタについては、過去シリーズのインタビューや設定資料等で言及していましたが、今回スレイヤーの参戦を決めた段階で、長年ギルティギアシリーズを支えているアートディレクターの坂村の熱意で実現にいたりました。

●バトルデザインについて
スレイヤーはGGSTとの相性が良さそう、としばしばユーザー間で話題になっていたキャラクターですが、過去シリーズの彼はタイトル毎に特色が異なっていることもあり、本作でどういった位置付けにするかは悩みも多いキャラクターでした。
XXシリーズでの初期企画段階ではコンボが少ないシンプルパワーキャラ、というコンセプトだったと入社後に聞きましたが、その後のシリーズの変遷を見るとそうでもないバージョンも多く…。(これはスレイヤーに限った話題でもありませんが)

そういった経緯を経ての本作では、技数は少な目のシンプルなパワーキャラとして成立するようにしつつ、やりこみ要素として細かいテクニックを用意する、というキャラクターになっています。

もう一点、彼を象徴する演出として「HAIKU」が挙げられます。
過去シリーズ同様、初句・二句・結句をランダムに組み合わせて表示するものです。
現時点で初句・二句・結句それぞれ30以上の句があります。

開発中にあったちょっとした裏話ですが、ゲーム開発のいわゆるデバッグと呼ばれる開発作業では、こういったランダム要素が正しく実装されているかどうかを確認する必要があります。そのため全ての句が正しく実装されているかどうかを確認するために、ひたすら対戦を繰り返す作業が発生します。
実装チェックを行うチームは結果的に膨大な数のHAIKUを生み出すことになるのですが、その中で誰の生み出したHAIKUが一番面白いかを決めるHAIKUコンテストがひっそりと開催されていました。

皆さまも、もしお気に入りの一句が生まれたら是非SNSなどに投稿してください。

これからのアップデートについて



5月30日に追加されたスレイヤーでシーズン3のキャラクターが全て参戦し、シーズン4に向けてGGSTは、いつ、どんなアップデート、どんなキャラクターが来るのか気になっているかと思います。

シーズン4の開発は順調に進んでおり来月中には大きな情報をお伝えできると思います。私たちも現在開発を進めているアップデートについて可能な限り明かしたい気持ちですが、今回は直近で予定しているバトルバランス調整の時期だけお知らせさせていただきます。

●2024年7月下旬予定 マイナーバランス調整
主にバーストゲージ・ワイルドアサルトといったバトルシステム系と、現状強みを発揮できる機会が少ない一部のキャラクターの性能のみに調整項目を絞ったバトルバランス調整を計画しています。
そのため調整項目がないキャラクターもいますが、実戦においてはバトルシステム系の調整によって比較的多くのキャラクターがバランスの変化を感じるものとなります。
このタイミングでの新システムや新技追加も予定はしていません。

●2024年10月下旬~11月予定 メジャーバランス調整
大幅なバトルバランス調整はこの時期に予定しています。
調整項目や変更規模はバランス全体に大きな変化を与えるものが想定されます。
こちらは全キャラクターを対象とした調整を行う予定です。続報をお待ちください。

大会・イベント情報

最後にAWT大会・イベント情報です。

GUILTY GEAR -STRIVE- LIVE CONCERT at ARC WORLD TOUR FINALS 2023



GUILTY GEAR -STRIVE-では初のライブコンサートがロサンゼルスのARC WORLD TOUR FINALS 2023で行われました!
ギルティギアのライブコンサートは2016年に開催したRock on 2Night GUILTY GEAR LIVE 2016以来の実施ということで実に久しぶりでした。一緒に歌ってくださる方も大勢いて、会場も非常に盛り上がっていました。可能であればもっと多くの方にライブを楽しんでいただきたいので、また違った場でも実施したいですね。
ライブコンサートについては、以下のARC WORLD TOUR 2023の配信からも視聴することができます。コメント付きで見られますので、見逃してしまった方もぜひ楽しんでください!

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ARC WORLD TOUR 2023

3月22日~3月24日に開催されたARC WORLD TOUR FINALS 2023では世界各地の予選を突破してきた、AWTポイント上位の選手達による世界最強を決める熱い戦いが繰り広げられました。

決勝大会の初日は決勝大会に出場する最後のチャンスとなる現地予選、LCQが行われました。
LCQから非常にレベルの高い白熱した試合が続き、PAR|Aarondamacc選手のハッピーケイオスと、Apologyman選手のファウストが2日目の決勝大会に進出しました!



2日目は各予選通過とポイント通過者によるAからDまでのグループ戦が行われ、各グループの上位選手2名によるTOP8トーナメントが3日目となります。
ここまでの長い道のりを進んできた、栄えある選手達を改めて紹介させてください!



そして、2日目グループ戦そして3日目のTOP8トーナメントを勝ち進んで見事優勝したのは、セネガル出身のSolo | Verix選手!去年の11月に開催されたUltimate Fighting Arenaでも恐るべき実力を見せつけた名残雪です!

アーカイブはこちら

予選から決勝トーナメントまで、どの選手の活躍も素晴らしく、開発チームもいつの間にか皆さんのプレイに魅了されていました。共にAWT2023を盛り上げてくださった皆さま、改めまして本当にお疲れ様でした!

決勝の熱い戦いが冷める間もなく、4月EVO JapanからARC WORLD TOUR 2024がスタートとなりました!
AWT2023に引き続き、AWT2024も一緒に盛り上がっていきましょう!

ARC WORLD TOUR 2024



AWT2024は更にパワーアップして前回から予選大会の数が世界各地で増えているだけでなく、オンライン大会も新たに加わりました。

各大会がプラチナ、ゴールド、シルバーの3つにカテゴリー分けされ、それぞれで獲得できるポイントが代わります。5つあるプラチナ大会の優勝者は決勝大会進出の16枠の内1つを獲得できますが、それだけ規模が大きく優勝に至るまでの試合数が多い大会の一つとなります。



シルバー大会となるオンライン大会は8月から順次スタートします。ポイントはプラチナやゴールド大会よりも少ないですが、AWT2023の時よりもポイントランキングによる予選枠が増えているので、ポイント蓄積の重要度が増しています。
AWT2024に関わる細かいルールについては、AWT2024公式サイトの大会ルールをご確認ください。

EVO Japan 2024

AWT2024の先陣となった最初のプラチナ大会、EVO Japan 2024(4月27日~4月29日開催)では、AWT2023でも恐るべき実力を発揮したアメリカ強豪のTempestNYCが優勝しました!

圧倒的な強さでほとんどラウンドを落とすことなく、颯爽とAWT2024の決勝出場権を手にしました。

4月~5月に開催された各大会の結果はこちらです。

Arc World Tour 2024 - April/May Update and Results

本日まででツアーポイント上位は以下の通りになっています。

8月からはPlayStation Tournament機能を使ったオンライン大会も開催されます。自宅から気軽に参加することができますので、ぜひこの機会にオンライン大会にもエントリーしてみてください。
長くなりましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。


デベロッパーズバックヤード第17回は以上となります。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

デベロッパーズバックヤードで取り上げて欲しい話題や、開発者へのご質問・ご意見に関しましてはページ下のフォームより随時受け付けています。

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https://twitter.com/GUILTYGEAR_PR

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